ハミルトンの魅力

ハミルトンがアメリカで創業したメーカーであることをご存知の方は、相当な時計マニアだと言えます。その歴史の中で特筆できますことは、創業まもなく、アメリカ鉄道の公式時計に採用されたこと。更に、定期郵便航空機の公式時計にもなり、その精度と耐久性が認められ、アメリカ海軍が船舶用高精度時計の開発をハミルトンに要請し、特殊なムーブメント、上下左右に揺れる振り子式蝶番で常に水平を保つことで、安定精度を保てるマリンクロノメーターの開発に成功したことが、同社発展の原動力として挙げられます。

さて、その後はスイスに本社を移転し、スイスメードとなるわけですが、近年、創立120周年を迎え、往時の海洋腕時計を再現したカーキネイビーパイオニアコレクションを発売しました。

このコレクションの限定モデルの特徴は、時計本体が特製の木製ボックスに収納されており、そのボックスの特殊蝶番機能により本体を常に水平に保ち、卓上時計とのして使用可能な大変凝ったつくりであり、更に、ボックスから本体を取り出し、通常の腕に付けて使用可能な点もコレクターズアイテムとして心をくすぐる、憎い演出であると言えます。

また、そこまで凝っていなくても、このカーキネイビーパイオニアにご興味があられる方には、先の限定モデルより、5mm強ほど、フェイスが小ぶりになりますが、デイリーユースに適したものも用意されていますので、是非、見比べてみては如何でしょうか。このカーキネイビーパイオニアの魅力は、往時のマリンクロノメーターを再現した点と、同社の製品のほとんどに言えますように、そのフェイスは大変シンプルで、視認性にすぐれており、ビジネスシーンでは、わかる人には、「やるな！」と思わせるような隠れた一品であると言う点に尽きると思います。